今回もイタリア料理ですが、パスタと双璧のピザを調べてみました。今回想定するピザの生地量は180gで、一般的な宅配ピザにおけるMサイズ(2~3人前)の75%、8枚カットの6枚分相当になります。成人男性であれば、Mサイズ1枚も容易いと思いますが、過去に紹介した料理とボリュームを揃えるという意味でこちらの量にしました。
なお、栄養摂取状況の算出における前提条件等は別記事でまとめてありますのでご確認ください。
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今回は30~49歳の男性が1日に摂取すべき栄養素として制定されている数値を基に計算していますが、18~29歳や50~59歳の方もさほど変わりはありません。また、鉄分は女性の方が多く摂取する必要性がありますが、それ以外は基本的に男性より少ない栄養量に設定されていますので、女性の方も参考にしていただけるかと思います。
マルゲリータ
トマト・モッツァレラチーズ・バジルを具材とするシンプルなピザです。バジルの緑・モッツァレラチーズの白・トマトの赤がイタリア国旗を表しているとされ、本場ナポリの代表的なピザであり、日本でも定番のイタリア料理という位置づけかと思います。その名前は19世紀のイタリア国王ウンべルト1世の妃マルゲリータに由来すると言われています。ちなみにイタリアの国花はデージーですが、こちらもイタリア語でマルゲリータと言います。
材料
基本的な食材として、
- ピザ生地 180g
- トマトソース
トマト缶 100g
砂糖 小さじ1/2
塩 小さじ1/8 - モッツァレラチーズ 100g
- バジル 5g
グラフ
たんぱく質・脂質・炭水化物の3大栄養素は十分な量含まれています。パスタもそうでしたが、ピザ生地にもかなりの栄養素が含まれています。それに加え、トマトソースとモッツァレラチーズの栄養価が豊富なため、全体的に30%前後の数値になっています。他の料理では不足しがちなカルシウムが豊富な一方で、ビタミンD・ビオチン・ヨウ素はほとんど含まれていません。栄養価は高いと言えると思います。
ペスカトーレ
パスタの回でも同じ名前の料理を紹介しましたが、ピザにもペスカトーレはあります。「漁師風」という意味なので、魚介類がたくさん入っていればペスカトーレになりますが、本場での名称はピッツァ・ペスカトーレのように何料理なのかの単語が入ります。基本的にパスタの具材と大きな違いはありません。貝類は殻付きだとパスタ以上に食べにくいので、殻抜きの分量を書いています。
材料
基本的な食材として、
- ピザ生地 180g
- トマトソース
トマト缶 100g
砂糖 小さじ1/2
塩 小さじ1/8 - ムール貝 20g
- あさり 20g
- いか 40g
- えび 40g
- チーズ 60g
グラフ
魚介類がたくさん乗ったピザであるため、たんぱく質が多く含まれています。脂質・炭水化物に関しても十分な量が含まれています。貝類が入っているのでビタミンB12は非常に高い数値を表しています。ビタミンDこそ含まれていませんが、全体的に10%以上を含み、30%前後の数値の多いバランスの取れた料理であると言えます。特に、ビタミンE・B12・ナイアシン・カルシウム・リンが多くなっています。
クアトロ・フォルマッジ
イタリア語でクアトロは数字の「4」や「4つ」、フォルマッジは「チーズ」の複数形なので、「4種のチーズ」という意味になります。チーズの種類に明確な定義はありませんが、クセの強いブルーチーズを筆頭に、タイプの違う4つのチーズを組み合わせて、奥行きを持たせます。さらにこのピザは、はちみつをかけてチーズとのハーモニーを楽しむ場合が多いです。濃厚なチーズと甘い蜂蜜の相性が抜群で、他のピザにはない特徴と言えます。具材がチーズのみですが、栄養価はどうなのでしょうか。
材料
基本的な食材として、
- ピザ生地 180g
- カマンベールチーズ 50g
- モッツァレラチーズ 50g
- ブルーチーズ 30g
- パルメザンチーズ 30g
- 調味料
オリーブオイル 大さじ1
はちみつ 大さじ1
グラフ
ピザ生地以外に炭水化物が入っていないため、炭水化物は平均的な量ですが、チーズが主体なのでたんぱく質と脂質は非常に多くなっています。チーズにあまり含まれていないビタミンD・K・C・ビオチンは少ない一方で、豊富に含まれるビタミンA・E・B12・ナイアシン・カルシウム・リン・亜鉛はとことん多くなっています。注意しなければいけないのは塩分量で、ブルーチーズやパルメザンチーズは非常に塩辛いので、あまり乗せすぎると簡単に1日分を超過してしまいます。
ビスマルク
ドイツの宰相オットー・フォン・ビスマルクがその名の由来となっているピザ。一般的な具材は、トマトソースにハムやベーコンと半熟卵で、その他にアスパラなどの野菜が乗せられることもあります。ビスマルク宰相が目玉焼きをのせたステーキが大好物だったことから、半熟卵が乗った料理全般をビスマルク(風)と呼んでいます。イタリアはドイツの同盟国であったことから、イタリア料理にもビスマルクの好みを反映した料理が登場し、その1つがこのピザということです。
材料
基本的な食材として、
- ピザ生地 180g
- トマトソース
トマト缶 50g
砂糖 小さじ1/4
塩 少々 - ベーコン 50g
- 卵 1個
- モッツァレラチーズ 60g
グラフ
炭水化物は平均的な量ですが、たんぱく質と脂質は十分な量が含まれています。脂質は少し多すぎるかもしれません。全体的に見て非常にバランスの取れたグラフをしており、ビタミンKを除いた全ての栄養素が20%以上になっています。ビタミンKは葉野菜などに多く含まれているため、ルッコラやイタリアンパセリを少し散らすだけで、完璧に近い栄養価の料理になると思います。
パルマ
パルマとはイタリアの都市の名前ですが、そこで作られた生ハムを使用したピザのことをパルマピザと言います。パルマの生ハムは世界的に有名で、中国の金華ハム・スペインのハモンセラーノと並んで世界3大ハムに数えられます。焼き上がったピザに生ハムが盛っているのが特徴で、その他にはルッコラ・チーズなどをトッピングすることが多いようです。生ハムの塩味とルッコラの香りが食欲をそそる1枚です。
材料
基本的な食材として、
グラフ
炭水化物は平均的な量ですが、たんぱく質と脂質は十分な量が含まれています。ビタミンD・ビオチン・ヨウ素がほとんど含まれておらず、マルゲリータと同じようなグラフになっています。生ハムが乗っている分、ナイアシンを始めとする栄養素も高くなっていますが、塩分量も多くなっているので注意が必要です。ルッコラもビタミンA・C・K・葉酸など、不足しがちな栄養素を多く含んでいるようです。
バンビーノ
イタリア語で「幼い男の子」や「少年」という意味のピザです。子供が大好きなコーン・ツナ・ベーコンなどがトッピングされており、宅配ピザでもこの組み合わせはよく見られますよね。ピザでポピュラーなソースはトマトソースですが、バンビーノではそれにホワイトソースを加えることが多いようです。子供向けということで、栄養素も豊富なら嬉しいですが、どうなのでしょうか。調べてみました。
材料
基本的な食材として、
- ピザ生地 180g
- トマトソース
トマト缶 50g
砂糖 小さじ1/4
塩 少々 - ツナ缶 30g
- ベーコン 20g
- コーン 60g
- チーズ 60g
炭水化物は平均的な量ですが、たんぱく質と脂質は十分な量が含まれています。ツナ缶によってビタミンE・B12・ナイアシンが、チーズによってたんぱく質・ビタミンB12・カルシウム・リンが多くなっています。一方で、ビタミンDとビオチンは低い数値になっています。全体的に15%以上を確保しており、栄養価は高いと言えそうです。
おわりに
主食であるピザ生地の栄養価がある程度高いことに加え、ベースとなるチーズとトマトソースも栄養価が高いので、どのトッピングであっても高い数値のグラフになりました。次回は宅配ピザで定番なピザを調べてみたいと思います。