KASHIWAYA Writing Club

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食事1回で摂取できる栄養素は?(ペペロンチーノ・ミートソース・カルボナーラ・ジェノベーゼ・アラビアータ)

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今回はイタリア料理を食べたときにどれくらいの栄養素が摂取できるのか、グラフで分かりやすく解説していきたいと思います。まずはパスタから調べてみました。なお、栄養摂取状況の算出における前提条件等は別記事でまとめてありますのでご確認ください。

cloth-nutri0319.hatenablog.com

今回は30~49歳の男性が1日に摂取すべき栄養素として制定されている数値を基に計算していますが、18~29歳や50~59歳の方もさほど変わりはありません。また、鉄分は女性の方が多く摂取する必要性がありますが、それ以外は基本的に男性より少ない栄養量に設定されていますので、女性の方も参考にしていただけるかと思います。

ペペロンチーノ

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にんにくと唐辛子を効かせたポピュラーなパスタです。日本ではペペロンチーノで通用しますが、イタリアでは「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」が正式名称となっています。アーリオはにんにく、オーリオはオイル、ペペロンチーノは唐辛子を指します。具材が少なくても作れることから、別名として「貧乏人のパスタ」とも呼ばれており、日本でもパスタのコスパと相まって1人暮らしの強い味方として知られています。具材が少ないですが、栄養価はどうなのでしょうか。

材料

基本的な食材として、

  • パスタ       100g
  • 薬味
    唐辛子        0.3g
    にんにく       8g

調味料として、

  • オリーブオイル 大さじ2
  • ゆで汁      30g
グラフ

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パスタには意外と多くのたんぱく質が含まれており、パスタ1食分だけで1日の20%程度のたんぱく質を摂取できます。しかし、それ以外はオリーブオイルとわずかな量のにんにくと唐辛子のみなので、栄養価は乏しいと言わざるを得ません。ビタミンA・D・B群・C、さらにはカリウムマグネシウムヨウ素はほとんど含まれていません。また、濃い塩水で茹でたパスタは塩分が強く、1食分だけで1日の40%近い塩分量となってしまいます。パスタに味が付いているなら、ソースを薄めにするなどの工夫が必要です。

ミートソース

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日本人に馴染みの深いミートソースパスタは挽き肉を使ったトマトベースのソースを、パスタにかけた料理です。ケチャップやウスターソース、砂糖などで味付けした甘味が強いソースで、子供にも人気のパスタですね。似た料理にボロネーゼというものがありますが、日本のミートソースと比べて甘みが少なく、ソースの水気がなくなる位まで煮込んだそぼろ状のものを言います。また、麺は「タリアテッレ」と呼ばれる平打ち麺が一般的に使われます。今回はそこまで甘みの強くないミートソースを想定して計算してみました。

材料

基本的な食材として、

  • パスタ       100g
  • 合挽き肉     70g
  • 野菜類
    玉ねぎ      40g
    にんじん     20g
  • トマト缶      100g

調味料として、

  • コンソメ      1/4個
  • 塩       小さじ1/8
  • オリーブオイル 小さじ1
グラフ

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たんぱく質は十分な量であり、脂質・炭水化物についても一定の量が含まれています。肉と野菜をバランス良く使用しているため、ビタミンD・カルシウム・ヨウ素など、一部の栄養素を除き、20%前後の数値になっています。にんじんがビタミンA、トマト缶がビタミンE・C・葉酸カリウムなど、不足しがちな部分を補っています。

カルボナーラ

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「炭焼職人風」という意味を持つパスタです。炭焼職人が考案したという説や炭焼職人が仕事の合間に作るパスタを再現したという説など、その由来は定かではありません。一般的にはパンチェッタを使いますが、日本では入手のしやすさからベーコンが使われることが多いです。同様に、ペコリーノ・ロマーノというチーズの代わりにパルメザンチーズや生クリームを使用することが多いです。このアレンジにより、日本で広く知られているカルボナーラの味と本場の味はかなりかけ離れたものになっています。今回は、どちらについても想定ではありますが計算してみました。

材料

基本的な食材として、

  • パスタ       100g
  • ベーコン     40g
  • 卵        1個
  • 生クリーム    30g
  • 粉チーズ     大さじ2

調味料として、

  • 塩        少々
  • 黒胡椒      小さじ1/3
グラフ

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たんぱく質は十分な量ですが、炭水化物はパスタの分のみです。脂質はベーコンと生クリームによって50%を超える数値まで積み上がっているので、他の料理では抑えめにするなど注意が必要です。全体的には、卵の高い栄養価によって穴のないグラフになっています。しかし、ベーコンと粉チーズには塩分が多く含まれているので、パスタと併せて66%と高い数値となり、注意が必要です。

カルボナーラ(本場)

先ほどは日本風カルボナーラのレシピでしたが、本場のカルボナーラではどうなのでしょうか。

材料

基本的な食材として、

  • パスタ       100g
  • ベーコン     40g
  • 卵黄       2個
  • 粉チーズ    大さじ4

調味料として、

  • 塩        少々
  • 黒胡椒      小さじ1/3
グラフ

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パンチェッタやペコリーノ・ロマーノは食品成分データベースに該当がないので、日本風カルボナーラの材料を増減して、計算しました。具体的には、卵は卵白含めて1個だけでしたが、卵黄のみを2つ、さらに粉チーズを2倍、その代わり生クリームを除外しました。日本風カルボナーラの栄養価をもっと顕著にした印象で、ナイアシンビタミンB12・カルシウムは非常に高い数値になりました。

ジェノベーゼ

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バジル・松の実・チーズ・にんにくをすりつぶしたものにオリーブオイルを加え、塩で味を整えたイタリア・リグリア地方発祥の伝統的なソースのことを指します。日本ではこのソースを使ったパスタを指すことが多いです。鮮やかな緑色とバジルの爽やかな香りが特徴で、パスタだけでなく、ピザや肉・魚料理など多岐にわたって使用されます。今回、ジェノベーゼの具材は定番のじゃがいもといんげんで計算してみました。

材料

基本的な食材として、

  • パスタ       100g
  • 野菜類
    じゃがいも    50g
    いんげん     30g
  • バジルソース
    バジル      25g
    松の実      15g
    にんにく       8g
    粉チーズ    大さじ1
    オリーブオイル 大さじ2
    塩        少々
グラフ

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たんぱく質と炭水化物は平均的ですが、脂質の量が非常に多くなっています。これはバジルソースに含まれる松の実とオリーブオイルによるもので、ピノレン酸やオレイン酸など有効な成分が含まれていることもあり、そこまで目くじらを立てなくてもよいかと思います。松の実はあまり馴染みのない食材ですが、ビタミンB群やミネラル類を豊富に含んでおり、グラフにもしっかり表れています。100%の栄養素が2つありますが、ビタミンEは主にオリーブオイル、ビタミンKは主にバジルによるものです。

アラビアータ

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こちらもペペロンチーノと同じくらいシンプルなパスタです。オリーブオイルににんにくと唐辛子を入れて辛味を移したことろに、トマトソースを入れて塩胡椒で味を整えたら完成です。ちなみにアラビアータとはイタリア語で「怒っている」という形容詞の「arrabiato」に「~風」という意味の「all’」をつけた言葉で日本語にすると「怒りんぼ風」となります。ソースの辛さで怒ったように顔が赤くなることからこの名前がついたと言われています。中東のアラビアとは全く関係ないようです。

材料

基本的な食材として、

  • パスタ       100g
  • トマト缶      150g
  • 薬味
    唐辛子        0.3g
    にんにく       8g

調味料として、

  • 塩        少々
  • オリーブオイル 小さじ1
グラフ

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たんぱく質・脂質・炭水化物の3大栄養素は20%前後と平均的です。ペペロンチーノとの材料の違いはトマト缶だけですが、ビタミンA・K・B6・C・カリウムなど、底上げしてくれているので、少ないながらバランスはとれている印象です。しかし、ビタミンD・B12・カルシウム・ヨウ素はほとんど含まれていないため、他の料理で補う必要があります。やはり具材のないパスタは栄養が不足してしまいます。

おわりに

全部で6種類のパスタを調べてみました。やはり具材の入っていないパスタは栄養価が乏しくなります。お金がないからと言ってペペロンチーノでお腹を膨らませ続けるのは良くないと分かりましたね。次回も違う種類のパスタを調べていきたいと思います。