以前新品状態を紹介した、HERZのブリーフケースの購入が2021年の1月でしたので、tちょうど1年ほど経過しました。今回、メンテナンスを行いましたので、エイジングの具合と合わせて紹介したいと思います。
メンテナンス前の状態
使用状況
現在5足の革靴でローテーションしており、黒3足・茶2足の割合のうち、茶靴の時だけ使っているので、平均して週に2日ほど持って通勤していると思います。また、3ヶ月に1回位のペースでオイルを入れるなどのメンテナンスをしてきました。もちろん乱暴には扱わず、基本的に底面を下にして置いていますし、電車の網棚に乗せることもありません。持ったままだと非常に荷物を取り出しにくい鞄であるため、開けるのは朝支度をするときに1回と、会社で荷物を取り出す2,3回、帰って1回の計5回ぐらいしか蓋を開けません。
画像
全体図です。新品の時よりは色が深くなっています。かなり厚い革ですが、全体的に皺というか表情が出てきました。ベルトは開け閉めの度に触るところなので、少し丸まってきており、使い込んだ感じが表れて始めています。
裏側です。持つ時はこちらが体側となります。ジッパーはほとんど開けないので、革の表情にあまり変化がなく、キレイなままです。
少し斜めから近づいてみました。
持ち手の部分です。手汗によってここだけ色が濃くなっています。汚らしい感じがして個人的にはあまり好きではありません。革のエイジングの良し悪しはやはり清潔感があるかどうかだと思います。他人から見て触りたくないと思われるようなエイジングにならないよう、コントロールしていきたいです。
フラップを開けたところです。基本的にフラップが被さっているので、あまり変化はありません。金具周辺は閉める時に周りの革に当たってしまい、傷だらけになってしまっています。
金具周辺のアップです。ここを傷つけないようにするのはかなり気を付けても難しいです。特に歩きながらフラップを開閉する時は絶対傷つけてしまいます。ここはいずれ補色クリームでも塗り込んで目立たないようにしようと思います。
革表面のアップです。白く乾燥してしまっているのと、雨によるシミができてしまっているのが分かるかと思います。また、細かい傷もついてしまっています。これらはオイルを塗りこんでいくことで目立たなくなると思います。
メンテナンス
エイジングの状況を確認しましたので、これからオイルを入れていきたいと思います。鞄の表面全体に塗り伸ばすので、毎回結構疲れます。
汚れ落とし
汚れ落としといっても靴のようにステインリムーバーでゴシゴシ拭くわけではありません。何年か経ったらやった方がいいのかもしれませんが、とりあえず今回は軽くブラシと布で拭き取るだけにします。
オイル入れ
オイルは「MUSTANG PASTE(マスタングペースト)」を使用しました。HERZ公式では「Renapur(ラナパー)」を推していますが、ラナパーは蜜蝋や鉱物油など、革の表面をコーティングする成分が中心なのに対し、マスタングペーストは100%天然のホースオイルで、革への浸透力が強いとされているため、こちらをずっと使用しています。指でとって塗っていきます。薄く塗ろうとしても革への吸収がすごいので結構たっぷりと塗っていかなければなりません。
オイル入れ後
写真だとかなり分かりにくいですが、全体的にしっとりとしたマットな肌感になり、少し沈んだ色になりました。
裏側です。こちらは表側よりも乾燥している感じはなかったので、そこまで変化はないと思います。ジッパーの持ち手もレザーなので、そこにもしっかりと塗っていきます。
斜めから近づいた画像です。実物を見ると、オイルを入れる前とは明らかに色も質感も違うのですが、分かりづらいですね。
革表面をアップにしました。オイル入れ前の写真だと雨のシミが目立っていたと思いますが、オイルを塗ると分からなくなったと思います。
金具周りのアップです。オイル入れ前とは反対の場所を撮ってしまい申し訳ありませんが、傷は目立たなくなったと思います。
ところどころ革質にムラがあり、オイルを他の部分より良く吸収して黒ずみのようになる部分もあります。ちなみにオイルを入れた当初は暗い色になりますが、1週間も経てば通常の明るさになります。実感は湧きませんが、それを繰り返していくことで雰囲気のあるエイジングになるのでしょう。
おわりに
HERZのエイジング記録を公開しているブログはあまり多くなく、特にこのチョコはエイジングが気になる色だと思うので、参考になったら嬉しいです。新品の時にも書きましたが、鞄自体はかなり使いにくいです。歩きながら物を取り出すのが非常に困難で、家と会社以外では鞄を開けない人にはおすすめです。この鞄を使う時、スマートフォンや定期券などはポケットに入れています。利便性は微妙なところですが、日々変わっていく革の表情には愛着が湧いているので、また1年後に記録を公表したいと思います。