前回ピザを紹介しましたが、その流れで日本で人気の宅配ピザについて調べてみました。今回も想定するピザの生地量は180gで、一般的な宅配ピザにおけるMサイズ(2~3人前)の75%、8枚カットの6枚分相当になります。成人男性であれば、Mサイズ1枚も容易いと思いますが、過去に紹介した料理とボリュームを揃えるという意味でこちらの量にしました。
なお、栄養摂取状況の算出における前提条件等は別記事でまとめてありますのでご確認ください。
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今回は30~49歳の男性が1日に摂取すべき栄養素として制定されている数値を基に計算していますが、18~29歳や50~59歳の方もさほど変わりはありません。また、鉄分は女性の方が多く摂取する必要性がありますが、それ以外は基本的に男性より少ない栄養量に設定されていますので、女性の方も参考にしていただけるかと思います。
プルコギ風
どこの宅配ピザ屋にも1種類はあるメニューです。「高麗カルビ」「韓国風プルコギ」「炭火焼肉」など呼び方は様々ですが、ピリ辛に味付けられた牛肉が乗っているという点は同じです。他の特徴としては、玉ねぎやニラ・こねぎも乗っていること、ソースがマヨネーズベースであることや、一番最後に糸唐辛子がトッピングされていることなどが挙げられます。ピザ生地・牛肉・マヨネーズ・チーズと、計算する前からカロリーと脂質が凄い気がしますが、どうなるでしょうか。
材料
基本的な食材として、
- ピザ生地 180g
- 牛ばら肉 100g
- 野菜類
玉ねぎ 20g
にら 20g - 薬味
にんにく 8g
糸唐辛子 3g - チーズ 60g
調味料として、
- 醤油 小さじ2
- 砂糖 小さじ1
- みりん 小さじ2
- ごま油 小さじ1
- 豆板醤 小さじ1/2
- マヨネーズ 大さじ1
グラフ
たんぱく質・脂質・炭水化物の3大栄養素は十分な量含まれています。特に牛ばら肉・チーズ・マヨネーズと脂質の多い食材がてんこ盛りなので、1日分の98%も含まれてしまっています。同時にたんぱく質も豊富に含まれています。ビタミンD・C・ナイアシン・ヨウ素はほとんど含まれていませんが、その他の栄養素については概ね20%以上を確保しています。カロリー・栄養価ともに高く、優秀な料理ではありますが、脂質が異常に多いので食べすぎに注意が必要です。
アイダホポテト
こちらも宅配ピザでは定番です。アイダホ州はアメリカにおけるじゃがいもの13%程度を生産する一大農地であることから、「アイダホポテト」という名称が良く商品にも付けられています。他には「モントレー」という名前が付けられていることもあります。お店によって、じゃがいもがそのまま乗っていたり、ポテトサラダのように加工されたものが乗っていたりと様々です。多くはベーコンが共にトッピングされており、カレー・ホワイト・トマトなど。ソースが選べることも多いです。炭水化物を重ねるようなピザですが、栄養価はどうなのでしょうか。
材料
基本的な食材として、
- ピザ生地 180g
- じゃがいも 100g
- 玉ねぎ 20g
- ベーコン 40g
- チーズ 60g
調味料として、
- マヨネーズ 大さじ2
- ピザソース 50g
グラフ
たんぱく質・脂質・炭水化物の3大栄養素は十分な量含まれています。こちらもベーコンとチーズの組み合わせにより、脂質が多くなっています。ビタミンEが多くなっているのは、ピザソースに含まれるトマト・オリーブオイルとマヨネーズに含まれる植物油によるものです。じゃがいもにはビタミンCが多く含まれているので、100gも食べるとかなりの量を摂取することができます。ビタミンDやビオチンは少なめであり、脂質にさえ気を付ければ、全体的に栄養価の高い優秀な料理と言えそうです。
エビマヨ
某宅配ピザチェーンが昔流していたCMが今でも印象的で、私もエビマヨの浮き輪を持っていた記憶があります。今では、どこの宅配ピザ屋も展開しており、季節限定の場合もありますが人気メニューの1つかと思います。こちらもえびがそのままの状態であったり、衣で包んで揚げたフリッターになっていたりと各社違いがあります。基本的な味付けはトマトソースがベースとなり、ベーコンとマヨネーズの塩味で全体的にまとまるといったイメージになります。
材料
基本的な食材として、
- ピザ生地 180g
- えび 80g
- ベーコン 20g
- 野菜類
トマト 20g
玉ねぎ 20g - チーズ 60g
調味料として、
- トマトソース 50g
- マヨネーズ 大さじ2
グラフ
たんぱく質・脂質は豊富ですが、炭水化物は少なめで、ピザ生地の分がそのほとんどを占めています。えびに含まれている栄養素で主なものは、ビタミンE・B12・ナイアシン・リン・銅などですが、そのほとんどがチーズを始めその他の食材にも豊富に含まれているので、栄養の補完という意味だと少し相性が悪いのかと思います。上記のピザと同じ様にビタミンD・ビオチンは不足気味ですが、他の栄養素は概ね20%以上であり、問題ないと思います。
照り焼きチキン
スライスまたはダイス状にカットされた照り焼きチキンが乗ったピザです。人気メニューの1つで、どこの宅配ピザ屋にもあると思います。照り焼きソースとマヨネーズが味付けのベースとなり、刻みのりがトッピングされていることが多いです。今回はコーンと玉ねぎがサブの具材としてトッピングされているとしましたが、マッシュルームや長ねぎの場合もあるようです。照り焼きソースが甘めなので、子供にも人気のピザですが、栄養価はどうなのでしょうか。
材料
- ピザ生地 180g
- 鶏もも肉 100g
- 野菜類
玉ねぎ 20g
コーン 20g - チーズ 60g
- 薬味
のり 1g
にんにく 8g
調味料として、
- 醤油 小さじ2
- 砂糖 小さじ1
- みりん 小さじ2
- マヨネーズ 大さじ1
グラフ
たんぱく質・脂質・炭水化物の3大栄養素は十分な量含まれています。栄養価の傾向はあまり変わりません。鶏もも肉・チーズによってたんぱく質も豊富ですが、脂質も多くなっています。ビタミンD・Cはあまり含まれていませんが、他の栄養素は概ね20%以上を確保しています。
ハワイアン
パイナップルが乗ったピザです。中華料理から発想を得て、1962年にカナダの料理人が考案したと言われています。ハワイアンという名前はパイナップルの缶詰メーカーに由来しているようです。かなり好みが分かれるピザで、オーストラリアやアメリカで行われた調査で人気なピザトップ3に入ったことがある一方で、相当数がパイナップルは嫌いなトッピングだと回答しています。日本の宅配ピザでも定番メニューとして残り続けていることから、根強い人気が伺えます。
材料
基本的な食材として、
- ピザ生地 180g
- パイナップル 100g
- ベーコン 40g
- 野菜類
玉ねぎ 20g
コーン 20g - トマトソース 50g
- チーズ 60g
グラフ
たんぱく質・脂質・炭水化物の3大栄養素は十分な量含まれています。パイナップルが主役なので多少栄養価の傾向が変わります。といってもパイナップル自体がそこまで栄養豊富というわけではなく、コーンと玉ねぎも同様なので、栄養価は少なくなります。パイナップルはマンガンの含有量がずば抜けて高く、ビタミンCや銅などもそこそこ含まれています。ビタミンE・B1・B12・ナイアシン・カルシウム・リンはかなり高い数値となる一方、ビタミンD・K・ビオチンはあまり含まれていません。
おわりに
今回は日本で人気の宅配ピザについて調べてみました。前回のピザと比べて、マヨネーズベースの味付けが多いせいか脂質が高めなのが印象的です。ピザ生地とチーズに加え、メインとなる肉系の3つでほとんど栄養価は完成しているので、グラフの形がほとんど一緒に見えるのではないでしょうか。栄養価自体はどのピザも高いので、脂質を取りすぎないよう、間隔をあけて食べた方が良いでしょう。