今回はカウチンセーターを紹介します。カウチンセーターとは、カナダのバンクーバー島に住んでいたカウチン族が作ったセーターが発祥のニットアウターです。アイボリーやグレー、黒を基調に動物モチーフの柄があしらわれ、太めの毛糸が使われてざっくりと編まれた印象です。本来のカウチンセーターは、脱脂していない羊毛とアメリカ杉の皮繊維を混紡した毛糸を使用しており、防寒だけではなく防水にも非常に優れています。ですが実際にファッションに取り入れたカウチン風のセーターの場合は、化学繊維や脱脂済みのウールを使うことがほとんどです。カウチンセーターを定番で作っているブランドというのは少ないこともあって、今回は本場の空気を色濃く残したブランドのみを紹介します。
ニットであるがゆえに保温性は高いのですが、防風性が無いので見た目よりは温かくないと感じるかもしれません。
Kanata
(カナタ)
1979年創業のカナダの老舗ニットブランド。カウチンセーターブランドとしては1、2を争う知名度を誇ります。その起源はカウチンバレーの一帯に住むネイティブカナディアンだと言われています。19世紀から生産されていた伝統的なニットを現代に発展させ、オリジナルのデザインへと昇華させています。楓・雪・トナカイ・サンダーバード柄などが定番です。ちなみにブランド名のカナタ(Kanata)とは、ネイティブインディアンたちの「村・集落」を意味する言葉に由来しています。
- 25,000~55,000円
- カナダ製
- ベストあり
CANADIAN SWEATER
(カナディアンセーター)
カナダのブリ ティッシュ・コロンビア州バンクーバー島で1977年に創業したニットブランド。カナディアンセーターは、白やグレー系をベースにした、狩猟文化を反映した自然に関する文様や動物のモチーフや幾何学的な模様をデザインとしています。カウチン族に由来するカウチン・セーターが有名で、固有の文化や神話・伝統・歴史の重みを意識しながら絶えず新しいデザインを生み出しているのです。太い毛糸で厚地にそして丈夫に作られており、また脂肪分を抜かないために撥水性と防寒性も高いという特徴があります。
- 43,000~70,000円
- カナダ製
- ベストあり
granted
(グランテッド)
1978年、カナダ・バンクーバー創業のニット製品製造・販売会社フライヤーフックス社が、2007年にバンクーバー郊外のリッチモンドで立ち上げたニットブランド。ブランド名の由来は「Don't take things for GRANTED(何事も当たり前だと思わないように)」という言葉。そこにあるものに常に感謝する事、そのような気持ちが込められているそうです。上質で洗練された毛糸だけを使い、高い技術を持った編み手によって1つ1つ繊細に編み込まれ、出来上がった製品は厳しく品質管理された後、出荷されます。セーターのジッパー部分には、バンクーバー島で採れた木材にブランドロゴの焼き印を押したものが使われています。当ブランドのセーターはユニセックス・細身・スタイルになっており、伝統的なデザインとは一味違うモダンな印象を与えます。
- 60,000~75,000円
- カナダ製
- ベストあり
- タイトなシルエット
FLYER HOOKS
(フライヤーフックス)
1978年に創業したリッチモンドのニットブランド。上記のグランテッドが若者向けのデザイン・シルエットを打ち出している一方で、本家のこちらは変わらぬ伝統のデザインを守りながら、古き良きカウチンニットを作り続けている印象があります。その上で今の時代に適応させるべく、研究・開発を重ね、重いと言われたカウチンセーターの概念を払拭させ、軽くより暖かいセーターを実現させることに成功しました。
- 45,000~53,000円
- カナダ製
- ベストあり
- ゆったりとしたシルエット
Cheswick
(チェスウィック)
1940年代から1960年代のアメリカで生産された、ヴィンテージスポーツウェアをコンセプトとする東洋エンタープライズ社が展開するブランドの1つ。独自の染め・縫製でヴィンテージ感溢れるアイテムを企画し、こだわってアメリカやカナダで作られることが多いです。まるで古着屋に置いてあるような雰囲気を持っているのが特徴です。
ここのカウチンはカナダでハンドニットで編まれています。天然のウールを100%使用し、適度なオイル分を含んでいるため、冷たい空気をシャットアウトして温かく着られます。シルエットは現代のファッションに合うように短めの丈と細身の身幅になっています。
- 40,000~50,000円
- カナダ製
- 丈が短め